大岡川とうろう流し

yuzai2004-08-16

16日、仕事帰りに大岡川でのとうろう流しを見に行く。

この行事があると知ったのはつい最近のことで、たまたま上大岡の街を歩いていたときにポスターが貼ってあったのを発見した。その写真を見て、これは行かなくてはと思った。
15日夜7時開始で笹野橋下から最戸橋の下を流れる大岡川でとうろう流しが行なわれるとのこと。しかし、昨日は雨のため順延、今日になったというわけだ。
会社を足早に出て大岡川に着いたのが7時30分過ぎ。商店街を抜けて青木橋に行くと、すでに見物人で賑やかになっていた。橋の上から川を見下ろすと、ろうそくに火を灯したとうろうが川の流れに合わせてゆったりと流れている。ろうそくを和紙(?)で囲んであるのがいかにも日本的で幻想的だ。実際のろうそくのとうろうは記憶する限り初めて見る。長崎の精霊流しと同じだと思った。いくつかのとうろうが流れているのを見ていると、しばし時を忘れる。夜の帳と妙にマッチしていて心地が良い。癒しになる。
橋を降りて、川面の近くへ顔を寄せてみる。紙に文が書いてあった。「生活苦しいけど何とかやってるよ」とか「子供達は大きくなりました。いつまでも見守っていて下さい」などなど。先祖へのメッセージである。
川岸でとうろうの監視をしている係りの老人に声をかけた。彼によると、とうろう流しが始まったのは約10年前だという。上大岡の街づくりを目指してゆく中で、上大岡名物を作ろうと商店街の組合や町内会で決めたそうだ。今は「上大岡マスタープランの会」や「大岡川の再生をすすめる会」が主催している。半分、NPOのようなものだろうか。
取材記者よろしくいろいろと話を訊いていて、上大岡の歴史を垣間見る思いがした。そういえば、少年時代の上大岡と今現在の上大岡とでは全く世界を異にする。馬鹿でかい駅ビルが建てられるなど、いかに再開発が物凄かったか想像できる。そしてそれは今でも続いている。
それにしても老人は怪訝な顔ひとつせず気持ちよく話してくれた。この老人と話をしていなかったら、上大岡の歴史を調べたいなんて思わなかった。自分の住んでいる街である。今後の「オカズ」にしたい。
とうろう流しとは話がずれてしまったけれど、老人と話ができたことは大きな収穫であったと思う。