池子・六浦散策

yuzai2004-08-07

池子地区への米軍住宅追加建設問題が起きているのを機に、ちょっとその現場へ行ってみた。

目指すは京浜急行神武寺駅金沢八景、六浦と続くその次の駅であるが、六浦を過ぎたあたりから、右に鬱蒼とした緑が続く。その緑というのが池子の森である。
そしてトンネルを抜けると、視界がぱっと広がって、右に米軍の関係施設が見える。
神武寺駅を降りると、すぐに唖然とした。ほとんど京浜急行ののレールに沿って駅の前後に延々とバリゲートがしてある。予想はしていたものの、これでは自由に中に入れないのだろうと、早速根を上げてしまった。ぐうの音も出ない。どうしようもない。

これにて終了である。まさかここまで不発に終わるとは思ってもみなかった。

仕方がないので、今度は逆方向に六浦まで歩くことにした。金沢逗子線という道路に出る。
池子地区を切り崩して通れるようにした道路なのだろう、左右に森が続く。普通、山を切り崩した道路の両脇には崖崩れを防ぐためにコンクリートで固めてあるのだが、ここはそれがない。地層がむき出しになっていて、それが「塀」の役割を果たしている。地層がないところは、すぐに森の中に入れる格好になっていた。中に入ってみようかと思ったが、すぐに止めた。まず、目前に木が沢山あり道がない。周囲が暗い。足元のでこぼこが激しく歩くには危険を感じたからだ。まさに未開の地であり、自然そのものである。

そして、道路歩きを続ける。

もはや森しかないのかなと思いながら歩いていたら、逗子高校があった。こんな森の中に高校があるとは。その後は老人ホーム、福祉センター、清掃センターを発見。福祉センターに立ち寄ってみようと思ったが、案の定休みである。何もかも不発。
約100メートルほどのトンネルを抜けると、左に神奈川霊園があった。お盆が近いこともあるのだろう、ひっきりなしに車が出入りしていた。横横道路を上に、そのまま坂を下っていくと、左の網バリゲートの柱に文字を発見する。何だろうと思って一つ一つの柱の文字を読んでみると、「この世の果て!!」とある。池子の森を望んでの場所である。

今日の収穫はこれだとピンときて、思いを巡らせた。
深読みかもしれないが、米軍住宅追加建設反対を唱えた者が書いたのだろうか。その文字はスプレーで最近書かれたものであることは明らかであった。ズシリときた。池子の歴史は80年代からは米軍住宅建設問題そのものである。賛成・反対どちらの意見を取るにしろ、かつてはその住民運動ははかりしれないものがあり、社会問題化したほどだ。
かくいう自分も環境の視点や左翼的思考で反対の立場を取っていた。左翼的思考というのは昔の話であり、一体何故日本が他国のための「思いやり予算」を組まなければならないのか気に入らなかったからである。日米安保も撤廃すべきだと強固に唱えていた。
なお最近のニュースによれば、横浜市区域側の追加建設問題に関して、横浜市は紆余曲折の状態である。どうなるのだろうか。逗子市の長島市長は環境を守る立場から「白紙撤回がない限り国を提訴する」と明確に主張している。
今の自分の考えとしては財政的な立場から「思いやり予算」はほどほどのところで止めなさいよ、と言いたい。余裕がないのに、何でもかんでもアメリカの要求を受け入れなさんなということだ。これ以上エスカレートさせないためにも釘を打っておくべきだと思う。

話がずれた。

池子の後は、六浦を散策。昔から気づいていることではあるが、この町は実に地層が多い。地層があらわになっているちょっとした小山がところどころにある。層の色の違いがはっきりとよくわかる。そばへ行って触ってみたりするものの、それ以上のことはよくわからない。おそらく考古学や地理学を専攻する者にとって格好の勉強の場になるのではないだろうか。

何だかんだいって、神武寺から金沢八景まで歩いてきてしまった。よく歩けるなぁと思う。疲れた。